Q1:アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎に悩んでおられる患者さんの数は年々増加しています。特に最近、その知識は一人歩きし、極端な治療や誤った理解に陥るケースが見受けられます。
ダニや食物などのアレルゲンに対してアレルギーを起こしやすい体質を持つ人に起こる治りにくい湿疹のことをアトピー性皮膚炎といいます。本質的に(1)アトピー体質と(2)バリアの壊された乾燥した皮膚が原因となります。
(1)に対しての予防はアレルゲンが体に入ってこないようにすることです。そのために、ダニや家のホコリでは家の生活循環の整備、食物では食物制限を行います。
(2)の皮膚に対しては、保湿剤やステロイド外用の使用が基本です。
しかし、お母さん方の中にはステロイドホルモン剤は危険な薬と思い、使うことを極端に嫌がられる方がおられますが、副作用が出るのは、長い間でたらめに大量に用いた場合であり、専門の皮膚科医の観察、指導のもとに使う限り心配することはありません。また、紫外線を使った光線治療は治りにくいアトピー性皮膚炎に有効と考えられます。
次に、かゆみを止めるために内服薬が必要な場合もあります。かきむしることにより皮膚のバリヤーを壊して、ダニの成分などの身の回りのアレルゲンが皮膚に侵入しやすくなるからです。さらに保湿剤、入浴剤などのスキンケアは、乾燥した皮膚や発汗、ストレス、日光などによる皮膚炎の悪化を防ぐために行います。軽いアトピー性皮膚炎ではこの治療のみでよい場合があります。不安なく治療を進めるためにも気軽に相談してください。
Q2:新生児のアトピーはどうしたらいいか?
アトピー性皮膚炎は、生後2~3ヶ月頃に顔から始まり、徐々にからだ、手足に広がり、肘、膝の内側などに治りにくい湿疹が生じます。
特に、新生児の場合、口のまわり、頬、頭にジクジクした湿疹を生じることが多く、卵・牛乳・大豆などに対するアレルギーもときには関係していますが、食事制限のみでは良くなりません。
原因は、完全には明らかではありませんが、遺伝性の皮膚の乾燥とバリアー機能の低下がアレルギーを起しやすいアトピー素因を持つ人に対しては汗やホコリの刺激、食事やダニのアレルギー、ストレス等が悪性因子となって生じると考えられます。
私の娘にも生後4ヶ月ぐらいから湿疹が顔、胸部に生じました。お風呂のあとで、父親の仕事として外用薬を塗る毎日で改善に向かいました。お風呂では、なるべく石けんを使わないように心がけました。あまり使いすぎると自分の皮脂をとってしまうので、石けんの使いすぎには注意しましょう。
統計的には、10才以上になると自然に症状が軽くなり、ほとんど治ってしまう人も多いですが、最近は、大人になってもなかなか良くならない人が増えています。それは以前と比べて、食事、環境等の変化がベースにあると考えます。
Q3:アトピー体質とは特殊な体質ですか?
家のホコリやダニ、食べ物などのアレルゲンに対して、アレルギーを起こしやすい体質のことです。
両親や兄弟などで同じような体質を受け継いでいるため、遺伝的体質を持っています。我が家でも、子どもが乳児期より頬や胸部に湿疹が出てきています。妻にアトピー体質を聞くと、自分も幼児期には乾燥しやすい皮膚であり、妻の母親も乾燥しやすい皮膚であるとのことです。つまり、アトピー体質は、親から子どもに遺伝体質として受け継がれていくものです。
このように、極めてありふれた体質で近年増加傾向にあり、特殊な体質ではないのです。ただし、病状が重くなると、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎がおこりやすくなるのです。
アトピー性皮膚炎の起こるしくみは、このようなアトピー体質とバリアーの壊された乾燥した皮膚を持つことです。皮膚のバリアーが壊され過敏になっていると汗やストレスなどでも容易に皮膚炎は悪化してしまいます。さらに、掻くことによってかゆみが増して悪循環が起こります。
アトピー性皮膚炎は、長く続く体質的な病気ですから、繰り返し出没する湿疹です。そのため、短期的には、内服・外用で改善しますが、治療を中止すると再発してしまいます。根気よく治療していくしか方法はないのです。
当院では、個人に対応したオーダーメイドの治療がもっとも治癒が高いと考えており、さまざまな症状に対応した治療ができます。
Q4:ステロイド外用剤の副作用について
特にアトピー性皮膚炎に対して保湿剤、ステロイド外用は基本となっています。しかし、お母さん方の中には、ステロイド外用剤だけは使いたくないと思い、使うことを極端に嫌がられる方がおられます。その理由は、ステロイドの副作用についてです。近年、ステロイド外用剤に関する情報が氾濫しているなか患者さんが外用剤について認識されていることや、不安に感じる点が多いと思います。
今、ステロイド外用で色が黒くなるとよくいわれます。日焼けの後に肌が黒くなるように、皮膚の炎症が始まった後に色素が残り、肌が黒くなることがあります。ステロイド外用剤を塗った後に色が黒くなったように感じるのは、炎症の赤みで見えなかった色素が治まることで、かえって目立ってくるからです。その色素も時間とともに徐々に薄くなってきます。大切なのは、炎症を始め、再び変化しないように、気をつけることです。
確かにステロイド外用を一定期間使用すると血管が浮いてきたり皮膚が薄くなることがあり、薬の吸収がよい顔や、お年寄りの皮膚に一定期間にわたて強いステロイド外用剤を使用し続けるとそのような症状が出てきますが、このような副作用は、過度な強さのステロイド外用剤を、薬を休む期間(適切な期間)を設けながら使用していけば避けることもできます。
一方、ニキビやおできは、ステロイド外用剤で悪化させます。ステロイド外用剤を使用した途端、全身的な問題はありませんが、薬を塗った部分の免疫力が低下し、細菌やカビ、ウイルスが増加してしまうことがあります。その場合は、早いうちに薬を中止し適切な治療を行うことにより、短期のうちに治ることがあります。
いずれにしても専門医の適切な指導の下での使用が大切になります。
Q5:最近、爪の色が気になりますが、こんな時は皮フ科を受診すればいいのでしょうか?
まず、皮フ科を受診されることをお薦めします。
爪は人間の身体にとって、重要な役割を果たしています。日常生活で爪がないと、手で物をつかんだり、足が踏ん張れずに歩行もしにくくなります。
又、爪の形や色の変化で様々な病気のサインとなります。
爪の色の変化で白漏(白く濁っている)していれば、爪白癬(つめはくせん、いわゆる爪水虫)の可能性が高く、逆に爪が薄くなっていたり、さじ状になると貧血の疑いがあります。
さらに、爪や指の先端が盛り上がってくると肺や心臓などの疾患が考えられます。
昔はともかく、水虫が一生治らないというのは間違いですが、爪白癬があると爪が菌の貯蔵庫の役目をして、水虫を治り難くします。
また、足や爪以外の場所に白癬をうつす可能性もあります。そこで、水虫を完治させるためには爪白癬の治療が不可欠となりますが、自分だけでなく、家族やまわりの人に白癬をうつす可能性もあります。
現在では、爪白癬の治療の場合、一般的に薬を内服することになります。以前は白癬菌に発育を抑える作用の薬だけでしたが、最近になって効果の高い抗真菌内服薬が出てきました。しかも、1日1回の服用で済むだけでなく、白癬菌を殺す作用を持っているため、治療期間も大幅に短縮できるようになりました。患者さんの症状に応じて内服、外用を判断しての治療となります。又、内服の副作用等気になることがあれば何でもご相談に応じさせて頂きます。
Q6:レーザーでシミはとれるか?
顔のいわゆるシミの治療を希望される患者さんの内訳としては、日光性黒子、SDM、太田母斑様色素沈着、肝班、炎症後色素沈着、雀印斑(そばかす)等があげられます。
これらの原因は主に太陽光(紫外線)がメラノサイトを活性化させ、紫外線暴露により憎悪します。
従来、遮光による予防に加え、美白剤の外用とビタミン剤などの内服による治療が行われてきました。しかし、最近レーザー治療の効果が期待されるようになりました。
レーザー光の生体への作用は、生体の構成がレーザー光を吸収して熱変換されることからおこります。レーザーのある波長はメラニン色素顆粒に対して吸収が高く、コラーゲン組織やヘモグロビンにはほとんど吸収せず、メラニンに選択的に吸収され、メラニンが破壊され、色が薄くなります。
具体的には、より深いシミに対して色素顆粒に吸収されたエネルギーと変化するため、正常組織に伝達する時間よりもレーザー照射時間は短くする必要があります。照射時間は短く、周囲組織への熱影響を低減するとともに治療効果を上げています。
表面上のシミには、パルス幅を拡大させ、メラニンに対する選択性を維持して、表皮のアプレーション効果を上げます。
レーザー治療に加えて、レチノール酸、ハイドキノン、ビタミンC誘導体の外用を併用し、より効果を高めることができます。
Q7:ほくろはレーザーでとれるか?
顔にできる降起性病変を普通はほくろと言われています。病名としては上皮性母斑がほとんどと考えられます。悪性の有無はやはり一部の組織の病理検査を行うことで診断されています。
一般的には、切除が唯一の治療となります。不十分な切除により局所再発を繰り返すことになり、できれば、完璧に病変を切除することが望ましいと考えます。
しかし、特に若い女性の場合、あまり大きく切除を拡大すると、切除後の治療に時間がかかってしまいます。切除後、新しい皮膚で再生をはかるため、どうしても新生の皮膚は、今までの皮膚と違うため、発赤等が2~3ヶ月は残るのが普通です。それを改善するために外用剤でフォローしていきます。
当院では、できるだけ、ほくろ切除の他範囲を小さくしていく方法です。切除範囲が小さければ、皮膚の回復も早いと考えます。
但し、欠点として一部病変が残る可能性があると考えます。その場合、病変部位の位置により、CO2レーザー、ルビーレーザー、Qスイッチレーザー等使い分けていくことで、一部病変が取り除くことが可能であると考えます。結局、切除後の皮膚の回復も早くなり、より短期間でほくろの切除が可能であると考えます。もちろん、小さいほくろの場合、レーザー治療のみでも十分な場合もあります。
当院では、ほくろ切除後の時間をできるだけ短くきれいにすることに主眼をおいております。その場合レーザー治療はかかせないと考えます。
Q8:大人のニキビ
ニキビのできる年頃でもないのにできてしまったニキビ。肌の状態がある程度安定してからできる大人のニキビは、原因が複雑で、10代のニキビに比べて治っても痕を残すのか心配です。
原因となるホルモンのアンバランスをひき起こすものは、多くのことが考えられます。ストレス、生理の前、季節の変化、不規則な生活、便秘、睡眠不足、中性脂肪が多い食事などです。このような点が複雑に絡むため、大人のニキビは改善したり、悪化したりするのです。
ニキビのできやすい部位も、顔に関しては「Tゾーン」といわれる部位(額 鼻)は皮脂の量が多く頬の約2倍もあります。
Tゾーンの他、耳の下からアゴ、首にかけて「Uゾーン」も皮脂量の多いところです。
さらに皮脂量の多い部分は、顔だけでなく体にもあります。首から肩、背中にもTゾーンがあります。胸もとや背中にもニキビができやすいのは皮脂量が多いからです。
大人のニキビは、個人により皮脂量が違うため、同じような治療では改善しません。
当院では、個人に対応したオーダーメイドの治療がもっとも治癒が高いと考えています。
また、特殊な波長による最新の光治療など、さまざまなニキビに対応した治療ができます。
Q9:顔のニキビがなかなか治りません。どうしたのでしょう
ニキビは、症状も原因も人さまざまです。治療方法も一人一人違います。どんな皮膚の毛穴にもニキビ菌(アクネ桿菌)が常在菌として住んでいます。ニキビの症状が進むと、そのような菌が炎症を起こす物質をつくり出すため、皮膚に炎症が起こって赤いブツブツが出ます。さらに進むと広がった毛穴の壁が破れて炎症が拡大していき、そこに膿を持って重症なニキビとなります。
次にニキビ痕が問題となります。赤みがとれなかったり、皮膚が陥没したり、隆起して皮膚が硬くなったりします。
一般的に皮膚科の治療としては、正しい洗顔のあとに外用剤、内服(ビタミン剤、抗生剤)で症状の改善をはかりますが難治性ニキビに対しては、近年ブームとなっているケミカルピーリング(cp)がニキビ痕やシミにはより効果が期待できます。また、リン酸型ビタミンCが専門家に注目されているのは、ニキビを予防するだけでなく、皮脂の分泌を抑制し、できたニキビの炎症を鎮める効果も認められています。元来、ビタミンCは不安定であったのが、ビタミンC誘導体によって効果を発揮するようになりました。
また、レチノール酸、ハイドロキノン、20%高濃度ビタミンC誘導体によるイオンフオレーシス、さらに特殊な波長による最新の光治療もできます。
Q10:シワに対してどこまで外用注射で改善できるか?
本来の皮フの老化にはホルモンバランスの変化などによる加齢に伴って進行する生理的老化と日光、特に紫外線の長期曝露による障害によって進行する光老化が考えられます。
特に、光老化する皮フでは、光酸化ストレス・炎症反応による表皮性のシワと真皮性のシワがあります。
表皮性のシワは、前述の反応による角層水分維持機能の低下や柔軟性低下をもたらします。このような表皮性のシワに対してCP(ケミカルピーリング)による皮フの新生を促してシワの改善をはかります。
その使用に対して個々の皮フの状態に応じた最適な濃度と回数を決定します。レテノイン酸は欧米、特にアメリカにおいて抗シワ剤として広く使用されおりシワだけでなくシミなどの老化皮フ兆候の改善にも効果があります。
真皮性のシワ、皮フ加齢によるシワについては、ボトックス、ヒルアロン注射で改善をはかります。
ボトックス注射とは「BOTOX」による筋の脱神経状態を作り、表情シワを出にくくさせます。変性した神経端末は6ヶ月で再生するため効果の持続は約半年です。効果のある部位は眉間のタテジワ、目尻になります。ヒアルロン酸注射は真皮に不足するヒアルロン酸を補充するために使用します。より深いシワに効果あります。
Q11:コエンザイムQ10は本当に効果があるのか?
最近、アンチエイジングブームでコエンザイムQ10の使用が拡大しています。
本来、コエンザイムQ10は、内服使用により、強心薬として以前から使用されていました。循環器の医師に聞くと「なぜブームになったのか?」とびっくりするほどです。マスコミ等の報道によって、サプリメントブームとして使用が拡大しています。内服使用に対しては、ある一定の年齢に達した人には効果はあると考えます。問題なのは、外用剤でその効果が発揮できるか疑問に感じざるを得ません。
個人的に大手化粧品会社に問いただしても、皮膚の真皮までコエンザイムQ10は入ることができないと説明しています。皮膚の外用剤のポイントは、いかに分子量を小さくして、より安定的作用を発揮できるかの2点です。
皮膚の世界もナノ世界に突入しています。今や10単位の分子の世界で開発競争がされています。
次に、安定的により入りやすくするのがポイントです。さまざまなビタミンの誘導体が開発されているのもそのためです。
最近では、今年になって最新型プロビタミンCが開発されています。以前のビタミンC誘導体の5倍以上に肌に浸透し、皮膚を滑らかに整えるから、シミやくすみなどの肌の老化を予防します。
本当に効果のある内服と外用を発揮できるのか?医師の責任であると考えています。ブームに躍らされることなく、疑問を納得に変えてから使用することです。
Q12:レーザーでシミは消せるか?
近年、皮膚の光生物的特徴の解明により、新しいレーザー治療の理論が確立されました。その結果、この理論に基づいたレーザー治療であれば、瘢痕を残すことなく色素病変を治療できるようになりました。
それに基づいて当院ではルビーレーザー、Qスイッチルビーレーザー、CO2レーザーを患者さんの症状に応じて照射します。
レーザー光は、波長、照射時間、照射エネルギーの三つの条件を満たす光でなければならず、このような治療指針はselective photothermolysis(SP)と呼ばれます。
このSPに基づき、患者さんに症状に合わせた最適の照射設定をすることが非常に大切だと考えています。最初にテスト照射して、その後の反応を見てから、レーザー治療が可能であるか判断します。
レーザー照射後、患者さんにより個人差はありますが、発赤を伴うことがあります。その場合、外用(塗り薬等)で改善をはかります。
レーザー治療は、最新の治療方法において最も有効なものと考えます。但し、一度の治療で改善をはかれるものではありません。シミ、例えば、太田母斑の場合、5回以上のレーザー照射を必要とし、約1年はかかります。症状によっては一回で改善できるものや複数回レーザー照射を必要とする場合もあります。相対的に約3ヶ月から1年はかかります。レーザー治療中心に外用・内服も含め、症状に応じて最も有効な方法を提案することが必要で患者さんへのカウンセリングと理解を得ることが大切です。
レーザー治療をお考えなら一度御相談ください。
Q13:大人のニキビの対処法について
顔のニキビは症状も原因もさまざまです。特に年齢によって症状に変化があります。
ニキビのできる年頃でもないのにできてしまったニキビ。肌の状態がある程度安定してからできる大人のニキビは、原因が複雑で、10代のニキビに比べて治ったあとにもシミを残す可能性があります。元来私たちの体の中には、いろいろなホルモンがあって体のすべての機能にかかわる大切な役目をしています。特に女性も男性ホルモンを分泌するので、ホルモンのアンバランスが皮脂の分泌を盛んにしニキビのできやすい状態になります。ホルモンのアンバランスを引き起こすものは、ストレス、生理の前後、季節の変わり目、不規則な生活、栄養の偏りがちな食事、睡眠不足、便秘などです。
ほかにも、初めて化粧した人にできるコスメティックアクネもあります。
一般的に皮フ科の治療としては、正しい洗顔のあとに外用剤、内服(抗生剤)で症状の改善をはかりますが難治性ニキビに対しては、ケミカルピーリング(cp)が、ニキビ痕やシミにはより効果が期待できます。また、リン酸型ビタミンCが専門家に注目されているのは、ニキビを予防するだけでなく、皮脂の分泌を抑制し、できたニキビの炎症を鎮める効果も認められています。元来、ビタミンCは不安定であったのが、ビタミンC誘導体によって効果を発揮するようになりました。
さらに、高濃度レチノール酸療法、ハイドキノンとビタミンC誘導体によるイオンフォトレーシス、特殊な波長による最新の光治療とさまざまなニキビに対応した治療ができます。
Q14:レーザーでシミはとれるのか?(2)
シミやほくろの相談で、レーザーを使って治療を望まれる患者さんが増加しています。
レーザー治療といっても、単純に一種類のものがあるのではなく、症状に応じて、様々な機種があります。特に最近は、毎月のように新機種が発売されています。アメリカのみならず、中国、韓国、イスラエル等で生産されているものがあり、まさに家電業界の如く、製品が乱立しています。
確かに、効果において疑問視されるレーザーが多数出現しているのは事実です。逆に言えばそれだけニーズが増えたということでしょうか。
当院では、特にシミについて、もっとも効果のあるQスイッチレーザーを主として使用しています。レーザー照射時間は10-9秒という単位(まばたきするよりもっと短い時間)でもっとも短い時間で打ちますので皮膚へのダメージを極力低くしています。
10-9秒という時間単位はナノ単位の世界です。これほど短い時間で一瞬にしてできるのは、Qスイッチのレーザーしかないのが現状です。
特に太田母斑(アザ)と呼ばれている症状には、効果を発揮します。以前は、外科的手術でしかとれないものがQスイッチレーザーの使用によりとれるようになってきました。レーザーでとれるシミ、ほくろは近年拡大してきています。但し、レーザーの不可能な症例もあり、外用等で時間をかけて治療していく場合もあります。
当院では、できるだけ、レーザーについて研究していますので、どのような機種のレーザーを使用すればもっとも効果があるかを、患者さんに応じて説明させていただき治療します。お気軽にお尋ねください。
Q15:ニキビの真犯人は活性酸素?
ニキビは10代の男女の80%以上に多少ともみられるありふれた疾患です。炎症を伴うかどうかで大きく分けて考える必要があります。
一般的に、10代のニキビのほとんどが炎症を伴うニキビです。一方、いわゆる白ニキビ、黒ニキビといわれるものは炎症所見はなく、おとなのニキビといわれるものです。毛穴の閉塞と皮脂分泌亢進を抑えることが治療目的となります。
欧米では、レチノイド、スピロノラクトンなど、毛孔の活化や皮脂分泌を抑制する医薬品が認可されています。日本では、石鹸による洗顔を励行し、イオンカンフルローションの処方ぐらいでした。近年、ケミカルピーリング、IPL等と新しい効果が認められています。特に、最近評価されているのは、ビタミンCの誘導体です。ニキビの悪化の原因は毛穴に詰まった皮脂が酸化されて、周囲の細胞を破壊してゆくことです。これを改善するために活性酸素の一種である過酸化脂質を抑制させる効果がビタミンC誘導体にあることがわかってきました。従来の日本のニキビ治療が殺菌剤でアクネ菌を抑えることばかりに目を向けたものに対して、ビタミンC誘導体を使用した活性酸素の除去はニキビ問題の根本的な解決方法であると考えます。
Q16:ニキビはどこにできやすいの?
ニキビのできる年でもないのにできてしまったニキビ。大人のニキビは原因が複雑で10代のニキビに比べて治ってもあとを残す可能性があります。
さらに生理の前はニキビができやすい環境になります。
特に、生理の前の約2週間、排卵があってから次の生理が始まるまでを「黄体期」と呼びますがこの時期はニキビができやすくなります。
黄体ホルモンには、男性ホルモンと同じように皮脂の分泌を高める働きがあるため、ニキビがでやすくなったり、悪化しやすくなりがちです。「黄体期」は洗顔をいつもより丁寧に、生理が始まったらニキビが多少おさまります。この時期がニキビケアのタイミングとして絶好の機会となります。
さらに皮脂の量が増加する部分があります。Tゾーンといわれる部分、額、鼻に皮脂の量が多く、頬の約2倍もあります。Tゾーンの他、耳の下からあご、首にかけてのUゾーンも皮脂量の多いところです。
また、顔だけでなく体にもTゾーンはあります。首から肩、胸にかけて、そして、背中にもTゾーンがあるのです。胸元や背中にもニキビができやすいのは皮脂量が多いからです。
このように、時期、部位、年齢、さらに季節によって皮脂量は変化していくのです。
Q17:生理の前にニキビはなぜ出やすいの?
ニキビは10代の男女の80%以上に多少ともみられるありふれた疾患です。
私たちの体の中には、いろいろなホルモンがあって体のすべての機能にかかわる大切な役目をしています。
よく知られているのは、男性ホルモンと女性ホルモン。ややこしいのは女性も男性ホルモンを分泌することです。男性ホルモンと女性ホルモンのバランスによって皮脂の分泌がコントロールされているのですが、このバランスが崩れると皮脂の分泌が盛んになってニキビができやすくなります。
特に女性にとって、生理の前の約2週間、排卵があってから次の生理が始まるまでを黄体期と呼んでますが、この時期にニキビは発生しやすくなります。
黄体ホルモンは男性ホルモンと同じように皮脂の分泌を高める働きがあるため、ニキビができやすくなったり、悪化しやすくなります。「黄体期」に洗顔をいつもより丁寧に、食事などにも気をつけましょう。
近年ケミカルピーリング、IPL等と効果が認められています。特に最近注目されているのは、ビタミンCの誘導体の次世代型、ビタミンEの100倍の効果があるというアキスタンチンなどです。
従来のニキビ治療が抗生剤に頼りがちであったものが、新しい外用剤で新たに注目を集めています。